算数「かけ算の順序」を中心に数学教育を考える

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zoom RSS (1あたり)と(いくつ分)は、常に逆転できるのか?(1)

<<   作成日時 : 2011/02/27 06:37   >>

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「4人に3個ずつ蜜柑を配る。蜜柑の数は?」という問題で、3×4のみを正解にして、4×3を誤答とするためには、

(ア) かけ算は(1あたり)×(いくつ分)の順序でなくてはならない。
(イ) この問題の(1あたり)は3で、(いくつ分)は4である。決してその逆ではない。

の両方が成り立つことが必要条件である。だから、(ア)が成り立たないことを示せば、それだけで「4×3」を誤りとする根拠はなくなる。実際、(1あたり)×(いくつ分)の順序でなくてはならないなどという決まりはないのだから、本来はそれで終了のはずである。

 しかし、「算数では、(1あたり)×(いくつ分)の順序でなくてはならない」と言い張る人がいる。最初のかけ算の導入での順序を絶対視していて、それが単なる便宜的なものにすぎないと言うのが分からないのである。だから、かけ算を理解させるための授業ではなく、「正しい順序」を徹底して頭に叩き込ませる授業が蔓延することになる。「正しい順序」と括弧付きなのは、私自身が「正しい順序・間違った順序」なる概念を否定しているからである。

 そうはいっても、教科書には「順序は逆にしてはいけない」とも書いていないが、「逆にしても構わない」とも書いていないから、百歩譲って、(ア)を渋々認めるとしよう。

 しかし、4人に1個ずつ配ると、4個。さらに1個ずつ配ると、もう4個必要で、・・・と考えれば、(1あたり)が4で、(いくつ分)が3になる。
これが「カード式」、トランプを配るような方法だからと、遠山啓が言っていたと、矢野健太郎が本に書いたと、とあるブログに書いてあった。


 算数教育の専門家は、この説明には一応納得する。そりゃそうだろう。これを認めないというなら、「私は算数を理解していません」と宣言するようなものである。

 ところが、三島市教育委員会指導主事は、

「問題文から判断すると、そういう配り方ではない。『3個ずつ蜜柑を配る』とあるから、3個のカタマリを1度に手渡すと考えるのが妥当。だから、(1あたり)は3である。」

という。

 私は最初言われている意味が分からなくて、「えっ、だって3個ずつ配ったといっても、配り方は指定されていなくて、1個ずつ配るとしても構わないでしょ」などと反論した。日本語の解釈の問題になってしまったのだが、議論がすれ違ってしまった。何故話がかみ合わないのか、そのときは分からなかった。


 三島市教育委員会指導主事は、算数を理解していない


 こう考えると、なぜ話がかみ合わなかったのかが理解できる。私は、相手は算数を理解していることを前提にしていたが、それがそもそもの誤りであった。指導主事だけではない。順序に拘る教師はほとんど算数を理解していないようである。

 改めて小学校算数の教科書を見ると、「かけ算では、かけられる数とかける数を入れかえてかけても、答えは同じになります」とあるが、視点の違いで(1あたり)と(いくつ分)が逆転するなどとは書いていない。

 「3×4と4×3は結果は同じですが、意味は全く違います」と、かけ算の順序に拘る教師が断言するのに違和感を持っていたが、

 教科書に書いてあるとおりのことしか理解していないと考えたら、合点がいく。

 「かける順序を入れ替えても、常に結果が一緒になるということは、何か理由があるはず」と考えて、「3×4と4×3は、実は同じことなんだ」と理解したら、「意味は全く違う」などとは言わないはずである。

 算数をちゃんと理解していれば、配り方がどうであれ、4人が3個ずつ蜜柑を持っている状態を想定すれば、各自1個ずつ蜜柑を出してもらって4個、もう1個だしてもらって、という考え方でも何の問題もないことが理解できるはずである。カード式の配り方というのは単なる便宜的な説明に過ぎないというのが理解できるはずである。

 指導主事は、「子どもは抽象的に物事を考えられない。」としきりに言っていたが、教える側は抽象的に考えられないとまずいと思うのだが・・・・・

 
 国立教育政策研究所はカード式に対して「蜜柑ならそう考えられるが、速さではできない」といって、「かけ算の順序」を正当化した。

 速さでも、(1あたり)と(いくつ分)を逆転できることをこれから論じていくが、蜜柑の問題ですら「逆順は間違いである」と言い張る教師が少なくない現状では、意味がないようにも思える。

 しかし、「速さなら、(1あたり)と(いくつ分)は逆転できまい。だから、蜜柑でも逆にするなという指導に合理性はある」と言うのだから、これも論破しなくてはならない。

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「4人に3個ずつ蜜柑を配る。蜜柑の数は?」という問題では

(ア) かけ算は(1あたり)×(いくつ分)の順序でなくてはならない。
(イ) この問題の(1あたり)は3で、(いくつ分)は4である。決してその逆ではない。

こういう問題が起こることはわかりました。

「4人に3個ずつ蜜柑を配る。一人に配る蜜柑が4人分いると考えたときの蜜柑の数を掛け算の式であらわしてみましょう?」

こういう問題にすれば(イ)の問題は解消しますよね。

「4人に3個ずつ蜜柑を配る。蜜柑の数は?」という問題にこだわっていたら何事も推測の域をでないのでわ?



いっこずつ解消したら?
2014/06/25 09:55

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