算数「かけ算の順序」を中心に数学教育を考える

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zoom RSS 「かけ算の順序」擁護論の概略

<<   作成日時 : 2011/03/10 14:14   >>

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 「かけ算の順序」に拘る教え方を擁護する意見は少なくない。またその理由も様々であるが、大ざっぱには以下のよう3つに分類できる。

A   (1つあたり)×(いくつ分)というルールになっている。そのように教えることになっている。
B  算数の教え方として、その方が優れている。
C  教師は一生懸命やっているのだから、とやかく言うべきでない。
C’ 理不尽なことを経験させるのも教育。教師が間違っていることもあるという社会勉強になる。

中には「将来、受動態を習うときのためにも、『かける数・かけられる数』をいうことをしっかり学ぶ必要がある」などというくだらない理由をあげる人もいた。そのような「理由」まで持ってこなくてならないぐらい、「かけ算の順序」は根拠のない物なのか、と思えてしまう。


 上記の、A〜C’だが、



■Aに関してはこれまで書いたことで完全に論破され尽くしている。


ア 「正しい順序でかけ算を書くように」と指導することは、指導要領にも書いていないし、文科省もそのようなことは言っていない。
イ (1つあたり)×(いくつ分)というルールは存在しない。
ウ 仮に(1つあたり)×(いくつ分)のルールがあるとしても、そもそも、 (1つあたり)と(いくつ分)は原理的に区別できない。速さや密度の場合も含めて、区別できない。




■Bに関しては、これまであまり触れていない。

 かけ算をというものをきちんと理解したら、(1つあたり)と(いくつ分)は原理的に区別できないことに気づくはず。「順序は大切。考え方は大切」と言いながら、そこに気づかないのであれば、「順序」がかけ算理解のために何の役にも立っていないという証明である。

 教えている教師が、Aに関して、ア〜ウのことを理解している上で、なおかつ順序に拘ることを是とするということは、あり得る。そこで、本当にそのような教え方がいいのかの検証が必要となる。しかし実際には、そもそも教師がア〜ウを誤解しているケースが多い。ほとんどがそうである。

 例えて言えば、「カラスは黒い」とわかっている上で、「『カラスは白い』と教える方が教育的効果が高い」という主張に対しては、そのような教え方の是非を検証することになるが、

「カラスは白い。だからそうやって教えるのは当然だ」という人が多数である。これに対しては、「そもそもカラスは黒いんだ」という説明からしなくてはならない。また、そのような人が多数いること自体が「カラスは白いと教えることが教育的効果が高い」ということが成り立たない傍証となっている。

 なお、行列の例を出して、順序を教えることを擁護するのは、アルビノのカラスの存在に言及して「カラスは白い」と教えることを擁護することに相当する。
  



■CとC’に関しては、論ずるに値しない。

 特にC’は、まともに相手にする必要はないだろう。Cは、当人は真面目に主張しているのだろうが、全くナンセンスである。

 話を全く逆にしてみる。つまり、今小学校では「かけ算の順序なんかどうでもいい」という教え方がなされていると仮定する。それに対して、「かけ算の順序には意味がある。どちらでもいいという教え方はやめるべきだ」という意見があったとする。

 CとC’の主張は、この様な状態でも全く変更の必要がない。

「教師は一生懸命やっているのだから、とやかく言うべきでない。」
「教師が間違っていることもあるという社会勉強になる。」

 つまり、「かけ算の順序」の是非とは何の関係もない主張である。



ということで、今後はBについて主に検証していくことにする。とはいえ、Bの中にも色々な意見があるので、個別の意見について取り上げることが多くなると思う。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
単純にBですね。順序に拘った方が教育的効果ありです。

子どもは文章題の意味など考えず、とりあえず出てきた数字を
組み合わせて式を作ることが多いですから、それを防止する
ための教育的効果を狙ったローカルルールです。

ローカルルールが存在して良いことは、漢字の筆順など多数の
事例があり、これなくして教育は成り立たないと言っても過言
ではありません。
らんで
2011/03/10 23:31
お手数ですが、コメントにhttp://suugaku.at.webry.info/201103/article_9.htmlを貼り付けて、

http://suugaku.at.webry.info/201102/article_12.htmlに改めて書き込んでもらえますか。
積分定数
2011/03/11 08:48

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